2015年08月27日(木)
着物と背広 [INCONTRO NEWS]
8月22日、赤峰が都内で開かれた、「銀座もとじ」代表取締役泉二弘明(もとじ・こうめい)氏が主催する、出版記念パーティーにお招きいただきました。
今回、泉二氏が出版された『和服は最高の男磨き! 今日から始める男の着物』(PHP研究所 8月20日刊行)は、日本初の男の着物専門店「銀座もとじ 男のきもの」を手がけた泉二氏が、長年培った技術や知識の中から、着物の選び方や着方、手入れなど"着物を楽しむために知っておきたい情報"を網羅して、豊富なカラー写真とイラストで見やすく編集した指南書で、初心者の入門や中級者の復習におすすめの内容です。
パーティーの挨拶で登壇した泉二氏は、「男の着物専門店を立ち上げて13年、ようやく手ごたえが感じられるようになりました」と語りながらも、最初は苦労の連続で、まず「ウチのスタッフから反対された」そうです。
泉二氏は「世の企業にありがちなことで、社長は夢や理想を掲げるけれど、現場をあずかるスタッフは、どうしても保守的になるものです。ウチのスタッフも、それまで婦人の着物しか扱っていませんでしたから、突然、男の着物と言われて面食らったと思います」と開業当時を振り返ります。
その時の泉二氏の打開策は「ひたすら説得」だったそうです。「とにかく、時間をかけて男の着物の必要性をスタッフに説きました。その次は、仕立て師たちを説得しました。男の人は仕立てにこだわるから、背広のように仮縫いを導入する、と提案したら、これも猛反対でした。内心は、業界の常識は一般人の非常識、と思いながらも、気長に説得していきました。もちろん工賃は据え置きとは言いません。結果的に、日本の物作りが持つ細かい対応と品質の良さを生かす事ができました」と語り、最後は「本日はスタッフとともにたくさんのお客様をお迎えできたことを感謝しております」とまとめて会場をわかせました。
パーティーの後、赤峰は「泉二氏からは、かつてスタッフの勉強会の講師を依頼された縁で、お招きいただいた。着物しか販売していないけれど、洋服の話も聞いてみよう、という熱心な探究心には驚かされる。着物の物作りには、オリンピックの日本の国技のように、絶対に死守する、という気迫が感じられる。洋服業界も頑張っているけれど、まだまだ厳しさが足りないと感じた。今回の本も、単なるノウハウ物をこえた、着物に対する情熱と愛情が感じられる」と語り、本の写真に見入っていました。
Posted by インコントロ STAFF at 14時22分 コメント ( 0 )