2012年05月12日(土)
朝日新聞be on Saturday『赤峰幸生の男の流儀‘明度の高いスーツを選ぶ’』2012年5月12日(土)掲載 [朝日新聞掲載記事]
戦後の企業中心社会で、「ドブネズミルック」と揶揄された日本男子の装い。
そこから脱し、自分の個性に根ざしたスタイルを作るには、「職場だけでなく、休みにも着たいスーツを選びましょう」と前回お伝えしました。プライベートでも着るとなると、確実に自分の好み、美学が反映されたものになるはずです。
旧来のビジネスマンから圧倒的な支持を受けてきたのは、グレーなら濃いめのチャコールグレー、紺ならダークネイビー。いずれも遠目には黒に見える暗い色合いです。普段のスーツに黒を選ぶ人もいますが、自分の好みとは別に「黒がオシャレ」「黒がフォーマル」と考えているのなら、それは違います。デザイナーが発表する「モード」に引きずられた安易な黒装束には目を覆う思いがします。
さて、オフでも着ることを考えながらスーツ売り場を訪れると、これまでよりは明るい色彩の生地を手に取る人が多いのではないでしょうか。
近年、灰色ならライトあるいはミディアムグレー、紺ならインクブルーやコバルトブルーといった明度の高い選択肢が確実に増えてきました。全体に軽さを生み、顔周りも明るく見せます。
この流れには、オフィスでも軽快なファッションを楽しむ女性の影響が見て取れます。「もっと装いを楽しみたい」「作業服となったスーツから解き放たれたい」という男性の欲求を感じます。
スイーツの分野ではフランスの焼き菓子である「マカロン」の流行が続いているようです。味わいより、カラフルで軽さを感じさせる色合いから選ばれていると思います。そうした時代の感性に無関心では、時宜を心得た仕事もできないと考えますが、いかがでしょうか。
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Posted by インコントロ STAFF at 00時00分 コメント ( 0 )