2010年07月06日(火)
MEN'S EX 8月号 平成の寺子屋 赤峰幸生の上級ファッション塾 連載vol.19 [MEN'S EX 掲載記事]
「コットンスーツこそタイドアップを楽しみます」
真のクラシックを追求し、服のみならず、生き方そのものに自らのスタイルをもつ男、赤峰幸生。
氏が考える、粋なスタイルを伝授する連載。第19回は、ドレスマインドで着るコットンスーツについてです。
■その1 ダブルスーツの着こなし■
太陽の光に映えるサンクロススーツ
信濃屋オリジナルのイザイアのダブルスーツはコットンツイル製。リヴェラーノ&リヴェラーノのコットンピケのダブルカフスシャツとタイを合わせています。靴はジョン ロブ。「コットンスーツはドレスマインドで着こなしてこそ絵になります。夏場はスーツの色目も積極的に楽しみたいところです。太陽光に映えるサンクロスタイプのベージュの独特な色合いが、洒落感をグッと引き立ててくれます。昼間に着たいスーツですね」
ベージュのスーツにはブルー系が好相性!
スーツのオレンジがかったベージュと相性のよい明るめブルーのタイでコントラストをつけつつ、シャツの素材感で涼感を生み出しています。タイはジャカードであれば、素材感よりも色目を重視します。
■コットンスーツは今こそドレスアップ!
M.E. 最近はテーラードでもジャージーや洗いのかかった素材が人気で、時代は完全にカジュアルへとシフトしていますよね。コットンスーツもまた、ポロシャツやBDシャツでスポーティに着るのが主流です。
赤峰 ここ最近は簡略化の時代ですから。ただ、略式は裏を返せば正式ではないわけですよね。スーツにポロシャツといったスタイルやジャージージャケットなどのアイテムは、時代の趨勢であり決して否めないのですが、本来の様式からいえば、夏場は麻やコットンのスーツをタイドアップして着るのがエレガントだったわけです。
M.E. 昔のヨーロッパ映画を見ると、確かにそうでした。
赤峰 コットンは決してラフな素材ではないんです。エレガントさを表現できるポテンシャルはウールのスーツにも決してひけを取りません。最近はドレスダウン方向に振った着こなしが多いですけど、コットンスーツをビシッとタイドアップして着こなせれば、逆に新鮮で、格段にエレガントなスタイルに映るはずです。
M.E. 今日の着こなしを見て納得です。
赤峰 それとヨーロッパでは“正式”というものが残っていますから、向こうであまりラフな格好をしすぎると、偉く恥をかくことになりかねません。
M.E. 確かに。タイドアップする際、赤峰先生の中でルールはあるのですか?
赤峰 ツイルやポプリンのシャツは基本的には合わせません。強撚系のボイルやピケ、リネン素材を合わせることが多いですね。それとリネンのポケトチーフが必要不可欠で、間違ってもシルクは挿しません。今日のような格好はヨーロッパではオンでもオフでも、あるいはリゾート地に行ってもフツウにいるごくスタンダードな格好です。それと、タイをするしないにかかわらず、ドレスダウンのマインドで着るのではなく、常にドレスアップのマインドで着ることを心掛けてほしいですね。
M.E. 肝に銘じておきます!
■その2 シングルスーツの着こなし■
クタッしたスーツの雰囲気が絶妙です
リヴェラーノ&リヴェラーノでス ミズーラしたコットンスーツ、アカミネロイヤルラインのリネンシャツ、エルメスのタイ、白のリネンチーフ、ジョン ロブの靴。「7年前に仕立てたスーツですが、着込んでやっと味が出てきました。コットンスーツに合わせるシャツはシャリ感があるものを」
Posted by インコントロ STAFF at 00時00分 コメント ( 0 )