2014年07月05日(土)
朝日新聞 be on Saturday "赤峰幸生の男の流儀" 『調和を意識して』 2014年7月5日(土)掲載" [朝日新聞掲載記事]
装いの要点は、「調和」にあり。毎朝、服を選ぶ時にこのことを考えていただきたいと思っています。
まずは「形の調和」です。
体つきは親から授かったものですが、皆さんは自分の顔の大きさや肩幅、あるいは脚の太さを十分に把握していますか?
欧米人に比べて肩が貧弱で、顔も大きく見えるのに、世の中にたくさん出回っているからといって、小さな襟のシャツを身に着けていませんか? 大きな顔とバランスがよいのは、大きな襟。顔を小さく見せてくれる効果をもたらします。
そして年齢を重ねて、脚が細くなってきているのに、ブカブカのスラックスを履いていませんか?若者のようにピタピタのズボンもおかしいけれど、ほどよくゆとりがあって、美しく見えるスラックスの幅をご自身で見極めましょう。私の裾幅は細めの19センチ以下です。
己を知り、眼鏡のフレームやネクタイの結び目の大きさ、帽子のつばの形状まで、ベストな分量を追求する。このバランス感覚こそが、粋かどうかの分かれ道です。
そして繰り返し申し上げていますが、「色の調和」も大切。白やグレーのほかは、青や茶を中心に2色までに絞ります。
ジャケット、シャツ、ネクタイ、ポケットチーフのそれぞれが色を拾いながら重なっていくコーディネートが基本。自分を引き立ててくれる色は、春めいた色彩なのか、秋を感じさせる落ち着いたトーンなのか、肌色との関連で知っておくことも重要でしょう。
こうした自己観察によって、新たな発見もあるでしょう。よく鏡を見て、己を知る。着ることをおろそかにする人は、人生もたいしたことがないと私が考える理由でもあります。
========================================
朝日新聞社に無断で転載することを禁止します
========================================
Posted by インコントロ STAFF at 09時00分 コメント ( 0 )