2013年06月11日(火)
朝日新聞be on Saturday " 赤峰幸生の男の流儀 『雨に唄えば』 2013年6月8日(土)掲載" [朝日新聞掲載記事]
1952年公開のアメリカ映画「雨に唄えば」はタイトル通り、雨の中でクラシックなタップを楽しげに踊る場面が印象的な名作です。雨の日は装いを決めるのに悩む人もいるかもしれませんが、私は「レインコートを楽しめる」と前向きにとらえています。
レインコートの素材としては、密で丈夫な綾織物であるギャバジンや、目の詰んだ平織りのポプリンが使われているものが挙げられます。しわしわ、くたくたになって味わいが出てくる物がいい。一方で、ポリエステルと綿の混紡素材で作られた、ペラペラのコートも気に入っています。ひらりと羽織れて軽く、洗濯機で洗えてしまう。
色はベージュが基本。カーキや紺を選ぶ人もいると思いますが、自然界にある色が、屋外ではなじみがよいと思います。
さて、問題は丈です。コートはやはり大きな分量で、人が着た時に「A」に見える「Aライン」の裾のフレア感こそが美しいと私は思います。実用の面からも、ひざまであって、雨風をしっかり防いだ方が合理的。日本に多いのですが、太ももまでの短い丈で、黒色というのはよくわかりません。
背丈が日本人と変わらないイタリアの男たちは、オーストリアのローデン地方に由来する「ローデンコート」を愛用しています。翻る裾こそがコートのカッコよさでしょう。
足元は、靴の上に履かせるゴム製の「オーバーシューズ」の利用も一手。アメリカ人によく見かけます。傘はかつては英国の「フォックス」に代表される高級品を使ったこともありますが、なくしてしまうこともあるので、安い物で構わないと思います。ただ、茶、紺、黒の無地をそろえ、服装と調和する色を使うと粋ですね!
Posted by インコントロ STAFF at 10時49分 コメント ( 0 )