2009年06月06日(土)
MEN'S EX 7月号 平成の寺子屋 赤峰幸生の上級ファッション塾 連載vol.07 [MEN'S EX 掲載記事]
「夏の紺×白スタイル10の着こなし」
真のクラシックを追求し、服のみならず、生き方そのものに自らのスタイルをもつ男、赤峰幸生。氏が考える、男のお洒落を伝授する連載。第7回は、「夏の紺×白スタイル」についてのお話です。
Q 紺×白に惹かれるのは何故ですか?
夏の日差しに映えるスタイルだからです
個人的に好きなのは、やや明るめのネイビー、すなわちロイヤルブルーなのですが、日差しの強い夏には、やや明るめの紺の白スタイルが、ヨーロッパのレンガの街並みに映えるんですよね。実際ヨーロッパでは夏の基本スタイルとして何十年も前から紺と白のファッションが存在しています。それゆえに奥深さがあるのです。
(→)写真の彼らのスタイルが赤峰さん的好みかどうかは別として、夏のイタリアには、紺×白のスタイルが、ドレスからカジュアルまで本当に広く一般的に浸透しています。ちなみに右の方は、ルイジ・ボレッリのCEO、ファビオ・ボレッリさん。
Q コーディネイトのコツを教えてください
上下のバランスに気を配ることです。
カジュアルなトップスにはドレスのボトムスを、ドレスのトップスにはカジュアルなボトムスを合わせるのがポイントです。カジュアルになりすぎてもドレッシーになりすぎてもトゥマッチなので、自分なりのヒネリを加えてそのへんのバランスを上手に保つことが大切です。あと、紺×白のスタイルには差し色で赤を少分量使うと効果的です。
■夏のヨーロッパは紺×白が何よりの基本
M.E. 紺と白というのは、赤峰さんの中では夏に限ったお話なんですか?
赤峰 もともと子供の頃から母親が自分に選ぶ服は紺と白ばかりで、それが自分のDNAとして染み付いていて、自分に一番似合うものだと思い込んでいる部分があったんです。実際、大人になって海外に出張に行くようになると、ヨーロッパでは濃紺というよりは、少し明るめのブルーというか、ロイヤルブルーが生活の中に根差しているなっていうのを凄く感じるようになりまして。では、冬場もそうなのかというと、そではなくて、茶系やグリーン系が目立つんですけどね。で、紫外線の強い夏になると、紺と白が一気に膨らんでくるんです。夏といえば紺、というのは、自分の中で不可欠なものなんです。
M.E. なるほど。
赤峰 イタリア人と夏に一緒に海に行くと、やっぱりネイビーと白というのが基調色としてあるのを強く感じますよね。彼らはそこに胡椒をふりかける感覚で赤をちょっと足したりしているわけです。洒落ていますよね。
M.E. 実際、アカミネロイヤルラインのコレクションでも、春夏の企画になるとロイヤルブルーは必ずラインナップされていますよね。ネイビーではなくてロイヤルブルー。アカミネブルーとでもいうのでしょうか?
赤峰 ええ、絶対に外せない。素材はリネンやコットンやモヘアなどいろいろあるんですが、明るいネイビーは絶対に外せませんね。
(←)着こなし1
スーツはロイヤルブルーのトニック
アカミネロイヤルラインのスーツは、ドーメルの'50年代製ヴィンテージトニックで仕立てたもの。シャツもロイヤルライン。タイは'60年代の英国ヴィンテージのもので、靴はジョン ロブ。「夏といえばネイビーと白。特にロイヤルブルーといわれる明るいネイビーが好きで、差し色の赤も好んで取り入れています」
(→)着こなし2
シアサッカーJKも欠かせないアイテムです
アカミネロイヤルラインのシアサッカージャケットに、同じくロイヤルラインのポプリンシャツ&トロピカルウールのパンツ、マカフィーの白ヌバック靴という夏らしい装い。「仕事に行く前の朝食時かな(笑)。仕事に行くときは、これにネイビーのタイをします」
■軸となるアイテムはブレザーではなくニット
M.E. その中で中心となるアイテムはあるのでしょうか?
赤峰 軸となるのはニットです。明るめのネイビーは着ますけど、一般的なダークネイビーのブレザーは個人的にはあまり着ないんです。ニットのポロシャツだったり、カーディガンだったり、あとはジップアップのアイテムだったりしますよね。そしてそれの表現としてボーダーやキャンディストライプがあったり、といった感じです。ただ、基本は無地のニットかな。
M.E. コーディネイトにおけるアドバイスはありますか?
赤峰 これは紺×白に限った話ではないのですが、ドレスダウンしたトップスに対してドレスダウンしたボトムスを合わせてしまうとトゥマッチになってしまうので、アメリカンなトップスに対してはヨーロッパ的なトップスを合わせますし、逆にヨーロッパ的なトップスにはアメリカンなジーンズを合わせます。トップスとボトムスのメリハリのつけ方が大切なんです。コントラストがあるほうが、僕個人としては好きですね。あまりにもお坊ちゃまっぽかったりストリートっぽすぎるのは、個人的にはよしとしません。ブルーと白の自分なりのヒネリが、自分の中でのポイントです。それともうひとつはどこかにアクセントをつけるのが好きなんです。紺×白に赤というね、フランスやイギリスやアメリカの国旗のように、ほとんど全部トリコロールなんですよね。さっきも言いましたけど、赤を分量少なく使うというのも、ひとつの技だと思っています。
M.E. 昼と夜の使い分けは?
赤峰 夜にジャケットを羽織るっていうのは、ヨーロッパの中では常識ですから、そのセオリーを守ることは大切だと思います。スタイルを自分で作るにしても、紺×白というのは今に始まったものではなく何十年も続いてきたスタイルなわけですから、この期に及んで余計なことをしてもしょうがないわけです。どれもが基本なわけですから、その都度いちいち買うのではなく、自分のワードローブの中に常に取り込んでおくことが大切なんだと思います。
M.E. 今回も勉強になりました。ありがとうございました。
(←)着こなし3
コードレーンJK×ネイビーポロも定番スタイル
コードレーンJKにポロシャツのボタンを上まで留めて襟のロールを出し、ヴィンテージのリーバイス501XX、ニュー&リングウッドの靴を。ジャケット24万1500円、ポロシャツ7万1400円/以上バランタイン(アオイ)
(→)着こなし4
近所へのお出掛けも紺×白が基本です
ハワイマリブシャツのパーカ、ヘインズのTシャツ、リーのウエスターナー、スペルガの2750という、思いのほかカジュアルな着こなし。「近所に出掛けるときや犬を散歩に連れて行くときは、こんな感じの格好です」
(←)着こなし5
どこにでもいるイタリア男のスタイル(笑)
ハイドロゲンのパーカに、アカミネロイヤルラインの綿麻シャツ、リーバイス501の66モデル、スナイプの靴という合わせ。「イタリアに行くとどこにでもいるオヤジです。袖をさりげなくまくって動きを出すのがポイント」
(→)着こなし6
海辺のリゾートでは白の分量を多く
白のコットンジップニットに、ドルモアのボーダーカットソー、アカミネロイヤルラインのウールパンツ、コンバース。「伊出張で海のほうに行くと、休みの日はこんな感じ」パーカ9万9750円/バランタイン(アオイ)
(←)着こなし7
シンプルで好感度大な街の散歩スタイル
バランタインのコットンニット、アカミネロイヤルラインのシャツ、リーバイス505のコーデュロイ、エスパドリーユ。「シンプルで好感度大の着こなし。襟で変化をつけて」ニット4万7250円/バランタイン(アオイ)
(→)着こなし8
リゾートホテルで寛ぐときのリラックススタイル
グアベロのポロユニフォーム、Y.アカミネのショーツ、コンバースのオールスターというコーディネイト。「真夏のリゾート地でのリラックススタイル。海辺のリゾートほど、紺と白が似合うところはほかにないですよね」
(←)着こなし9
ブルーの色にこだわったサルデーニャスタイル
リヴェラーノの綿ジャケット、ラコステのポロシャツ、バランタインのバミューダ、オールスター。「サルデーニャの夏スタイル。海沿いのカフェで寛いでいる感じかな」バミューダ4万950円/バランタイン(アオイ)
(→)着こなし10
プールサイドで読書をするときの水着スタイル
ジョン スメドレーのシーアイランドコットンカーディガン、ラコステのビズポロ、バランタインの水着でトリコロールスタイル。「プールサイドでは、こんな感じで読書します」水着2万6250円/バランタイン(アオイ)
今月のおさらい
壱 濃紺よりもやや明るめのネイビー、ロイヤルブルーが赤峰的夏の基本色
弐 ドレスダウンしたトップスには、きれいめのボトムスを合わせるメリハリが大切
参 ずっと着られるものなのでワードローブの中に紺×白の基本アイテムを揃えておくことが大切
Posted by インコントロ STAFF at 00時00分 コメント ( 0 )