2009年05月06日(水)
MEN'S EX 6月号 平成の寺子屋 赤峰幸生の上級ファッション塾 連載vol.06 [MEN'S EX 掲載記事]
「ラコステのポロシャツ10の着こなし」
真のクラシックを追求し、服のみならず、生き方そのものに自らのスタイルをもつ男、赤峰幸生。氏が考える、男のお洒落を伝授します。第6回は、「ラコステのポロシャツ」についてのお話です。
Q 赤峰先生にとってラコステとは?
自分の相棒のような存在です
ポロシャツのクラシックといえばラコステ。私のスタイルを築く上で欠かせない、まさしく相棒のような存在です。特に好んで着ているのは、長袖のポロシャツです。イタリアでは年間を通して長袖のポロシャツを着るのですが、私も夏でも袖をまくって着ています。なかでもネイビー、白、グレイ、黒は基本として押さえておきたい色ですね。
ラコポロは何枚あっても重宝します
1.台襟付きボタンダウンの長袖タイプ、ビズポロ 1万5750円、2.赤の長袖ポロシャツ 1万1550円、3.緑の長袖ポロシャツ 1万1550円、4.ヴィンテージウォッシュの白ポロシャツ 1万3650円、5.10年前にパリで購入した私物のボーダー鬼鹿の子ポロシャツ、6.ネイビーの長袖ポロシャツ 1万1550円、7.パープルの半袖ポロシャツ 9975円、8.私物のハイネックカットソー、9.エクリュ色の半袖ポロシャツ9975円、10.黒の半袖ポロシャツ 9975円/以上ラコステ(赤峰さん私物の5と8を除き、ラコステ)
■ラコステはポロシャツの基本の基といえるアイテム
M.E. ラコステのポロシャツは、ヴァルスターブルゾンなどと並ぶ赤峰さんの七つ道具のひとつですが、出会いはいつ頃に遡るんですか?
赤峰 40年以上前ですね(笑)。20歳のときに学校でカトリーヌ・スパーク主演の「太陽の下の18歳」というイスキア島が舞台の映画を見たんですけど、その中に出てくる人物のほとんど全員がラコステのポロシャツを着ていたんですよね。ヨーロッパに根差しているな、カッコいいなって、心の中に凄く印象に残ったのが最初です。その後25歳のときにヨーロッパへ旅行したとき、パリのラコステで買ったのが僕とラコステとの出会いです。
M.E. それからラコステひと筋で?
赤峰 そうですね。彼の地に行って、ラコステのポロシャツはフランスに土着した基本の基のアイテムなんだと肌で感じ、自分自身も白のポロシャツを買ってから、いろいろと揃えていきました。「太陽の下の18歳」の時代のヴィンテージラコステなども、ひなびたスポーツショップでデッドストックを買い漁ったり(笑)。エレガントスポーツの匂いがするという意味では、今も昔もなんら変わっていないんですよね。ラコステのポロシャツというのは特別な存在で、鹿の子ポロシャツとラコステのポロシャツというのは似て非なるものなんです。
M.E. 「太陽の下の18歳」でのラコステは、夜のプールサイドで着ていたりとラフな感じだったと思うのですが、今日赤峰さんが見せてくださった着こなしの中には、ドレスアップしたスタイルもありました。
赤峰 そうですね。ただ、決して肩肘の張った感じではなくて、イタリアのお爺さんたちが、中はラコステでフツウにスーツを消て、ピアッツァ(広場)で談義しているみたいなね。そういうお爺さんが着ているようなラコステのポロシャツの自然なこなしに影響を受けているんです。ラコステはフランスのものでもあるにもかかわらず、イタリア人の中での土着感みたいなものがあって、彼らにとっても基本の基のなんですよね。
(←)着こなし1
夜のお出掛けはアイリッシュリネンスーツで
リヴェラーノ&リヴェラーノのアイリッシュリネンスーツに長袖のビスポロ、マンテラッシのスリッポンを素足で。「襟はさりげなく無造作に。テーマはリゾートの夜。」日本ではレストランの食事のときなどに」
(→)着こなし2
赤のポロシャツ&ジャケットで築く週末スタイル
リヴェラーノ&リヴェラーノの綿ポプリンのJKに赤の長袖ポロシャツを合わせ、赤の長袖ポロシャツを。「赤は赤峰的差し色。ウイークエンドスタイルですね。ボタンは上まで留め、裾を軽く出しているのがポイントです」
■夏でも袖をまくって長袖を一年中愛用
M.E. イタリア人は長袖を好んで着て、一年を通して愛用していますよね。
赤峰 そうなんです。で、日本では半袖に人気が集中していますけど、個人的には長袖を腕まくりして着るのが好きで、特に洗いざらしたラコステの袖口をまくって、それが味となってなんとなく雰囲気を醸し出すのが僕的には好きなんですね。袖口がびよびよに伸びちゃったりするんですけど、それもまた味わい深いかなって。
M.E. そういう赤峰さん的な演出のテクニックを教えてください。
赤峰 襟に表情をつけますね。ただ、襟巻きトカゲみたいに極端に立てるのは好きではありません。丈が長すぎるのも好きではないので、場合によっては短くお直しして着ることもあります。裾を出したときの見え方は大切なので、そのへんは各人で調整するといいと思います。
M.E. 参考になります。
赤峰 あともうひとつ大切なのは、二の腕のフィット感。半袖の場合、腕の筋肉に対してちょうちん袖がきついくらいの感じでフィットしているのが、ポロシャツの着こなしではマストだと思います。
M.E. 勉強になります。ちなみにラコステは何枚くらいお持ちなんですか?
赤峰 昔買ったものも全部残してあるので恐らく40枚くらいだと思います。リーバイスの501にはノーマルから自分の色に落としていく楽しさがあるのと同じで、ラコステのポロシャツも、ガンガン着倒してからが、またいい味になるんですよね。そういった一枚を、襟に自分なりの表情をつけて着るのが赤峰的には好きですね。
M.E. 今回もとっても勉強になりました。ありがとうございました!
(←)着こなし3
革ブルゾンで築く伊カジュアルの王道スタイル
32年着ているコノリーのレザーブルゾンに、リヴェラーノのピケパンツ、足元にはスペルガの2750。「レザーブルゾンとポロシャツは王道の組み合わせ。ザーブルゾンはパツパツで、ボタンをひとつだけ留めて着ます」
(→)着こなし4
夏らしさ全開!白ポロシャツ+シアサッカーパンツ
ヴィンテージウォッシュのポロシャツに、アカミネロイヤルラインのシアサッカーパンツ。で、足元はスペルガの2750.「洗いのかかったポロシャツが、リラックス感を上手く引き出してくれます。夏らしさを表現した普段着」
(←)着こなし5
ボーダーポロをパンツにインした街の散歩スタイル
メランジ調の鬼鹿の子のボーダーポロをリーバイスのコーデュロイパンツにイン。足元はコンバースのオールスター。「休日に街を散歩するときは、こんな感じかな。太めのベルトがアクセントになっています」
(→)着こなし6
長袖&ショーツでリゾート地での散歩スタイル
紺の長袖ポロに、Y.アカミネの綿ツイルのショーツ、エスパドリーユという組み合わせ。「夏でも長袖を袖まくりして着るのが好きなんです。長袖のラコステは本当に重宝します。これはリゾート地で散歩する格好かな」
(←)着こなし7
半袖ポロ裾を出してカジュアルに
パープルの半袖ポロシャツに、リヴェラーノのドリルクロスのパンツ、フローシャイムのコブラヴァンプというシンプルな合わせ。赤峰さんのスラックスの裾はすべてダブル。「パープルとベージュは好相性。裾を出して」
(→)着こなし8
プールサイドで読書するときの水着スタイル
ポロシャツではないですけど、息抜き番外編。紺の長袖ハイネックカットソーに水着を合わせ、足元はコンバース。「海やプールサイドでの格好です。リラックス感を出すべく、長袖のカットソーで。サングラスは必須です」
(←)着こなし9
ホワイトフランネルのパンツを合わせた正統テニススタイル
エクリュ色の半袖ポロシャツに、アカミネロイヤルラインのフランネルパンツ、マカフィーのホワイトバックスという合わせ。「全身をオフホワイトでまとめてみました。フランネルのパンツを合わせた正統テニススタイルです」
(→)着こなし10
全身を黒でまとめたトレーニングスタイル
黒の半袖ポロシャツをトレーニングウェアとしても活躍しています。トレーニングをするときは、キリリと全体が引き締まった印象に映る黒で統一。下に合わせているのはアディダスのジャージ。「イチ、ニ、サン、シ〜」
今月のおさらい
壱 赤峰先生にとってラコステに勝るポロシャツは存在しません
弐 長袖のポロシャツは夏でも袖をまくって着るのが赤峰流
参 ちょうちん袖は二の腕にぴったりフィットが絶対条件
Posted by インコントロ STAFF at 00時00分 コメント ( 2 )